宇和島を知る
あじわえる町、うわじま
四国・愛媛県南部に位置する宇和島は、リアス式海岸の美しい宇和海に面し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた城下町です。
歴史と文化が色濃く残り、新鮮な海の幸と山の幸が織りなす食文化が発展したこの地は、訪れる人々にゆったりとした時間と癒しを与えてくれます。
宇和島の歴史と伊達家
宇和島の歴史を語る上で欠かせないのが、仙台藩主・伊達政宗の長男秀宗を藩祖とする宇和島伊達家です。1615年の入城から明治維新まで約250年余りにわたり統治しました。第5代藩主・村候が藩校を開設して学問を奨励し、第7代藩主・宗紀は蝋や和紙の専売制により藩財政を強化するなど、独自の文化を育みました。幕末には第8代藩主・宗城が西洋式軍制改革や蒸気船建造を推進し、「幕末四賢侯」の一人として進取の気風に満ちた藩政を展開しました。
市街地を見下ろす標高約74メートルの丘陵に立つ宇和島城は、現存12天守の一つとして国の重要文化財に指定されています。1601年に藤堂高虎が築城し、1660年代に伊達宗利が天守を再建しました。白亜の三層三階の天守は優美な姿を今に伝え、天守から望む宇和海と市街地の眺望は美しく広がります。城内には高虎が築いた野面積みの石垣が残り、自然石を巧みに積み上げた当時の築城技術を今に伝えています。
国指定記念物(名勝) 天赦園
宇和島城の北東に位置する天赦園は、第7代藩主・宗紀が1866年に完成させた池泉回遊式庭園です。その名は、仙台藩祖・伊達政宗が隠居後に詠んだ漢詩「残躯は天の赦す所 楽しまずして是を如何せん」から採られました。伊達家の家紋「竹に雀」にちなんだ竹林と、初夏に咲く藤の花や花菖蒲が優雅な風景を織りなし、四季折々の表情を楽しむことができます。
隣接する宇和島市立伊達博物館では、伊達家ゆかりの武具や美術品が展示されています。
宇和島の恵み
真珠
宇和島の真珠は、質の高さと輝きの美しさで国内外から高い評価を受けており、アコヤ真珠の養殖に適したリアス式海岸で母貝を育て、優れた技術とち密な作業、細やかな心配りで生み出されています。
宇和島の鯛めし
宇和島は食の宝庫としても広く知られています。中でも宇和海で獲れた新鮮な鯛を使った鯛めしは、愛媛県内でも南予地方独特の食べ方として有名です。刺身にした鯛を卵黄、醤油、だし汁などで作ったタレにくぐらせ、熱々のご飯の上にのせていただきます。鯛の甘みとタレの旨味が絶妙に調和し、何杯でも食べられる美味しさです。
じゃこ天
宇和海で獲れた小魚を骨ごとすり身にして油で揚げたじゃこ天は、宇和島を代表する練り製品です。市内には店頭で揚げたてを1本から販売する店も多く、店ごとの味比べを楽しめるのも観光の魅力です。魚の旨味がぎゅっと詰まった素朴な味わいは、地元の人々にも観光客にも愛されています。
柑橘
温暖な気候に恵まれた宇和島は柑橘栽培も盛んです。特にみかんは県内有数の産地として知られ、吉田町は愛媛県のミカン発祥の地です。太陽の光をたっぷり浴びて育った柑橘は、甘みと酸味のバランスが絶妙です。
宇和島の文化
うわじま牛鬼まつり・和霊大祭
宇和島の夏を代表するうわじま牛鬼まつりは、毎年7月22日から24日に開催されます。棕櫚や赤い布に覆われた5~6メートルの大きな牛鬼が長い首を振りながら街を練き歩き、悪霊を払い五穀豊穣を祈ります。夜にはガイヤカーニバルや宇和島おどり大会が開催され、街全体が祭りの熱気に包まれます。同時期には、初代藩主・伊達秀宗に仕えた家老・山家清兵衛公を祀る和霊大祭も行われ、神輿の海上渡御などの厳かな神事や勇壮な「走り込み」で祭りは最高潮を迎えます。
闘牛
宇和島の文化を代表するのが、全国でも珍しい闘牛文化です。千年以上の歴史を持つとされるこの伝統は、農耕用の牛の力比べから始まったと伝えられています。直径二十メートルの土俵で約1トンを超える巨大な牛同士が、角を突き合わせ、首を絡め、全身の力を込めて激しくぶつかり合う様子は圧巻です。年に数回開催される定期大会では、県内外から多くのファンが訪れ、土俵を囲んで声援を送ります。
歴史が薫り、文化が息づき、美食が待つ宇和島。
伊達家の誇りを継ぐ城と庭園、
迫力満点の闘牛と華やかな祭り、
そして海と山の恵みが織りなす味覚の数々。
海と山が近く、
自然の息吹を感じるこの魅力あふれる街で、
心に残る旅の思い出を作ってみませんか。