ぶらり宇和島城下
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八ツ鹿踊り 伊達の哀愁薫る鹿踊り   鹿踊りは、東北地方から伝わった民俗芸能で南予各地に広まっており、八ツ鹿、七ツ鹿、六ツ鹿、五ツ鹿と分布し、高知県の一部にも継承されています。 10月28~29日の宇和津彦神社の秋祭りで奉納される八ツ鹿踊りは、雄鹿たちが雌鹿を訪ね探して遂に発見して喜ぶ「めじかかくし」という踊りで、変声期前の少年8人(7人が雄鹿、1人が角のない雌鹿)が頭をつけ、その頭から垂れた紅染の布で上半身を覆い、手甲、脚絆、草履ばきで、胸の太鼓をトントコトントコと打ちながら踊り、その哀調を帯びた旋律はゆったりと大変優雅です。一方その原型となった東北の踊りは活発で、頭も鹿頭ではなく、権現型と言われる獅子頭で、とても勇壮です。 宇和津彦神社祭礼絵巻(末廣本/個人蔵)より鹿に扮した小学児童たち、変声期前の美しい歌声が響きます市指定無形民俗文化財31 29

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