JavaScript機能をONにしてください。 磯釣り釣記(根気仕事)【宇和島市観光物産協会】
スペシャル企画

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vol.5 磯釣り釣記 The account of SURFCASTING

04根気仕事

前日、天気予報は雨だったが、青空が広がってきた。しかし、釣り人達はうかない表情である。聞くと、潮の流れが悪いらしい。確かに、もう何投か仕掛けを投入しているが、あたりというあたりに合っていない。「今日はダメかなぁ」とつぶやく。仕掛けを変え、餌を変え、蒔餌をし、そして、海に仕掛けを投じる。その繰り返しである。根気のいる作業である。

その時、大きく竿がしなった。「来た!」と歓喜の声を上げる釣り人。私はすかさずタモ(網)を差し出した。「いやぁ、そんな大物じゃないなぁ」と苦笑いをした釣り人は、ひょいと海から魚を引き抜いた。アジくらいの大きさの小さな魚である。しかし、記念すべき今日の一匹目。釣り人の表情はゆるみ、少し離れた磯にいる仲間に魚を大きく掲げ、喜びを表した。

着用しているライフジャケットに、沢山のステッカーや、チーム名まで入っている釣り人でさえ、本命以外の魚でも一匹目というものは嬉しいようだ。

写真:祈念すべき1匹目が釣れ、喜びを表す釣り人

午前 7時    魚を掲げ、喜びを表す釣り人

しかし、その時間から魚信のない状態が始まる。取材スタッフの一人が、魚が釣れない事に飽きてきたのか、「カメノテ」採取を始めた。「カメノテ」とは、岩と岩の割れ目に生息しているフジツボの仲間で亀の手に似ているので「カメノテ」と呼んでいる。いろいろな海岸で見かけることができる。見た目は少しグロテスクだが、食すとかなり美味い。磯釣りにはこんな楽しみもあるらしい。まさしく釣りとは、自然を相手にしたレジャーである。

日が高くなり、潮の流れにも良い兆しは見えず、一休みをする釣り人。おもむろにクーラーバッグからコンビニで買ったおにぎりを手に取ると、遅い朝食を始めた。その間にも、近くの磯での釣りの様子が気になるらしく、前方にある、隙間なく竿が林立している磯上の人達の動きをじっと見つめていた。

おにぎりを食べ終わった釣り人は、また竿を手に取り、仕掛けを海に投じた。

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